ディートリッヒ・ボンヘッファーの祈りV
自由への道の諸段階
訓練
おまえがもし自由を求めて旅立とうとするなら、
欲望と肉体がおまえをあちらこちらへ引きまわさないように、
まず感覚と魂とを訓練せよ。
精神と身体をきよらかに保ち、完全に自分に従わせ、
従順に与えられた目標を追い求めよ。
自由の秘密を知った者はいない。そのためには訓練があるだけである。
行為
心のままに行動せず、毅然として正義を行い、
可能性の中で動揺せず、現実的なものを大胆に捕らえよ。
自由は、思考への逃避の中にはなく、ただ行動の中にあるだけである。
ただ神の戒めとおまえの信仰のみに支えられ、
不安に満ちたためらいを捨て、出来事の嵐の中に出て行け。
そうすれば自由は、おまえの魂を歓喜しつつ迎えるであろう。
苦難
驚くべき転換がもたらされた。強い生きた手が、おまえに結びつけられた。
おまえは無力さと孤独の中で自分の行為に終焉を迎えるが、
おまえはほっとして、静かにまた悠然と、おまえの義を、
強い手に託し、満ちたりる。
一瞬であろうと、自由に触れて祝福を得、その自由を、
神の手にゆだねるなら、神がその自由を完成させてくれるであろう。
死
さあ来い、永遠の自由への途上で催される最高の宴、死よ。
この世で見えないものを終りの日に見るために、
われわれの過ぎゆく肉体と惑わされた魂の、
重苦しい鎖と、壁をとり払え。
自由よ、われわれはおまえを、訓練と、行為と、苦難を通して尋ね求めてきた。
そして今、死に臨みつつ、おまえを神の顔の中に見いだす。
ディートリッヒ・ボンヘッファー : 著 : 主のよき力に守られて(村椿 嘉信 訳) : 新教出版社
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