|
|
|
|
曽野綾子の祈りV パウロは、私たちがほんものの幸福を手にすることのできる鍵を三個示す。その第一は喜びを見つけることである。これは、一つの才能だと言っていいかもしれない。私はほかの才能には自信がないものがほとんどなのだが、喜びを見つけることだけはかなりうまいと思う時がある。この自信はいささか面映(おもは)ゆいが、多くの場合、喜びは尊敬や賛美と抱き合わせになっている。つまり私の場合、喜びの背後には、必ず私が不当に受けたとしか思えない人の好意があり、そこには私には全くない他人の才能のおこぼれに私があずからせてもらった、という現実がついていることが多い。 曽野綾子 : 著 : 「心に迫るパウロの言葉」 : 新潮文庫 |