ネヴィル・スミスの祈り

 福音書によると、イエスの御一生と宣教活動の中で、涙が大きな役割を果たしている。母マリアは、悲しみが剣のように心を刺し貫くであろうと告げられ、ナインの町のやもめは亡くなった息子に涙をながし、マリアとマルタは兄弟のラザロの死を悲しんでいる。
 マグダラのマリアはらい病の人シモンの家で、またイエスの墓の外で、イエスの足もとにひざまずいて泣いている。
 ペテロは、イエスを知っていることを三度も否定して恥をさらした後、苦い悔恨の中で激しく泣いている。エルサレムの都はイエスを見捨て、イエスに大きな悲しみの涙を流させている。ラザロの死もイエスに深い悲しみをもたらし、「イエスは涙を流された」

 

父なる神さま
病院の中で流された涙をかえりみてください。

小児用ベッドの傍らの苦しみの涙
死にゆく幼な子への両親の涙

飲酒運転をした人への怒りの涙

愛する者を失った家族の涙
死にたくないと思っている人々の恐怖の涙
死にたいほどの苦しみの中で錯乱している人々の涙

悪い知らせがもたらす涙
時間と能力の限界を体験した若い医師の涙
自分の弱点をよく知っている経験を積んだ看護婦の涙

しかし、父なる神さま
病院で流される涙のすべてが悲しみの涙ではありません
新しく生まれた子どもを、畏れと驚きをもって見つめる両親の涙
家族や友人の愛情と親切に支えられたことを改めて知った人々の涙

病をいやされ、喜びの中に歩みはじめる人々の涙
あなたに対する愛と感謝の心で満たされた人々の涙
自分の感動をほかの方法では表すことができない人々の涙

父なる神さま イエスさまが涙を流されたように
すべての人々が流す涙を受け入れてください。
主イエスの御名によって祈ります。

ネヴィル・スミス : 著 : 滝沢陽一 訳 :「病院にいる人々への祈り」 : 日本基督教団出版局

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