ミレーの祈り
神のこの世界
ああ、この世界、もっと親しく抱きしめたい!
風を、広い灰色の空を、
立ち昇って逆巻く霧やもやを。
あなたの森は、この秋の日、傷み、葉を垂れ、
燃えあがる色で泣いている。
ごつごつの巌(いわお)を砕いて砂とする一方で、黒い絶壁を
あのような傾斜で立ち上がらせる力!
ああ、この世界、もっと親しく近づきたいのに。
この世界の麗しさをわたしは知っている、と思っていた。
でも、わたしというものを引き裂くほどの
熱情が秘められていることを知らずにいたのだ。
ああ、神は、この秋をすでにあまりにも美しくなさったようだ。
わたしのからだには心は留まらず、憧れ出てしまう。
神よ、燃えあがる一枚の木の葉も舞わせないで、
どうか 鳥たちにも沈黙させて。
エドナ・セント・ヴィンセント・ミレー作
ターシャ・テューダー : 編 : 「心に風が吹き、かかとに炎が燃えている」〜ターシャ・テュダーと
家族が愛する詩 : メディアファクトリー
戻る