始めに 「痛み」は個人的な体験に基付くため、同じ病気による「痛み」でも、その強さが、人によって、また同じ人でも時間やその人の心理的な状態や、体調によって大きく異なることが特徴です。
この「痛み」は、急性疾患か慢性疾患かによっても異なり、患者さん個人の文化的、社会的背景、体験によっても違ってくるものであり、「痛み」自体が場合によっては情緒障害や、人格形成の障害、患者さんのストレスへの対抗手段や「逃げ道」であることもあります。
このように「痛み」とは、専門的な知識を必要とし、ペインクリニックは患者さんの相談窓口となり、多くの医療専門家と協力して、患者さんの「痛み」が患者さんにとって最良の方法で解決される入口となります。 痛みの一般的な特性 @.皮膚の痛み 皮膚だけが痛みを受けていると、「切られるような」、「焼けるような」痛みとなります。皮膚と血管両方がダメージを受けると、「脈を打つような」痛みとなります。
皮膚の浅い部位の神経が傷つくと、「むずむず」、「ひりひり」、「ずきずき」、「ちくちく」という痛みになります。
皮膚の深い部位の太い神経が傷つくと、痛みはひどく感じ、非常に不快な焼けるような持続性の痛みとなります。 A.体の深い部位の痛み 関節痛は、場所がはっきりしていて、鋭い、焼けるような、脈を打つような痛みになります。
骨の痛みは、場所がはっきりせず、時に(ひどい場合は)、脈を打つような痛みになります。
筋肉痛は、場所がはっきりせず、鈍い痛みや「こむらがえり」のような痙攣を伴った痛みになります。 B.内臓痛 肺をつつむ胸膜や、心臓をつつむ心膜、それに消化管をつつむ腹膜には、すべて神経線維が分布しており、炎症が起こったり刺激を受けると激しい疼痛が生じます。腸や胆管や胆嚢それに子宮は、刺し込むような疝痛と呼ばれる間歇的な痛みを起こします。疝痛は腸や胆管、胆嚢が破れたり、それらの臓器に炎症が起こった場合に生じる。膀胱の出口が塞がれると、膀胱が張ってくる膨満感という苦しさと押しつぶされるような、また破裂するような痛み(感覚)が生じます。
心臓の筋肉に充分血液が回らなくなる心筋虚血になると、胸が締め付けられるような、押しつぶされるような脂汗が出るような痛みにおそわれます。 頭痛 最新の国際頭痛学会によると、頭痛は以下の13種類の痛みに分類されています。 @偏頭痛(片頭痛)
A緊張型頭痛
B群発頭痛および慢性発作性片頭痛
C原因となる病変の無い頭痛
D頭部外傷による頭痛
E血管障害による頭痛
F頭の中の血管が原因ではない頭痛
G原因物質の摂取または離脱による頭痛
H頭部以外の感染による頭痛
I代謝性疾患による頭痛
J頭蓋骨、頚、眼、耳、副鼻腔、歯、口、あるいは他の顔面、頭蓋組織による頭痛または顔面痛
K神経痛、神経切断による頭痛
L分類不能の頭痛 @偏頭痛(片頭痛)
偏頭痛の特徴は、繰り返し起こり、その痛みが脈を打つようにズキンズキンと起こり、時に吐き気を伴ったり、前ぶれとしてキラキラと輝く光のようなものを感じることがあります。男性より女性に多く、思春期から青年期にかけて起こることが多いです。また、このような痛みが起こる間(偏頭痛と偏頭痛の間)は全く頭痛がないのが特徴の1つとなっています。1度偏頭痛が起こると、数時間は頭痛が続き、気分も不快になり仕事にも集中できなくなるほどです。偏頭痛を起こし易い食べ物として、チョコレートや赤ワイン、チーズ、化学調味料、それにハムやソーセージなどの肉類に使われる防腐剤があります。女性では、生理前に発作がおこることがあり、ピルが偏頭痛を引き起こすこともあります。また女性では、妊娠中に偏頭痛発作が良くなる事が多いのです。偏頭痛は、暗い所での安静や睡眠でよくなることが多いです。予防としては、ストレスを避けること、それに休息を採ること、食生活に気をつけることです。症状がなかなか取れない時やひどい時は、ペインクリニックや脳神経外科、脳神経内科の医者で治療をしてもらうことです。新しい新薬や、神経ブロック(星状神経節ブロック等)で症状が取れることが多いです。現在、薬局で様々の種類の「痛み止め」を売っていますので、市販薬で痛みを紛らす人が多いですが、大きな病気が隠れていたり、女性では妊娠の問題がありますし、喘息やアレルギー体質の人は市販薬が使えないことがありますので注意が必要です。 A緊張型頭痛
筋肉が緊張するための痛みで、肩こりを伴ったり、頭の側頭部に鈍い締め付けられるような痛みが、おこります。姿勢の悪さや、体型が原因のこともあります。また、枕が合わないことが原因になることがありますので、ピローフィッターという体型に合わせて枕を選んでくださる職業がありますので、枕を体型に合わせて選んでもらうことが必要なこともあります。低血圧や貧血が緊張型頭痛を起こすこともあります。またストレスやうつ状態でも緊張型頭痛をおこすことがあります。そのような場合には、原因に対する治療が必要になりますので、ペインクリニックや脳神経外科、脳神経内科の専門の医師を受診してみてください。 B群発頭痛
青年期から壮年期の男性に多い、すさまじい頭痛です。片目を抉り取られるような、錐で刺されるような脈を打つ焼けるような頭痛で、同時に結膜が充血し、涙が流れ、鼻詰りや鼻水が出たりします。多くは、突然そのような激しい頭痛が数時間続き、数週間から1〜2ヶ月で頭痛が治まるのが特徴です。未だ確立された治療法はありませんので、ペインクリニックの専門医や脳神経外科や脳神経内科でその人に合った治療法を探してもらわなければなりません。
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