神経ブロック療法
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「神経ブロック療法」って?

(質問)
 腰の神経痛に長年悩まされています。病院で痛みを訴えても、なかなか理解してもらえません。最近、痛みを抑える「神経ブロック療法」というものがあると聞きましたが、この治療法について教えてください。   (宮城県加美郡・女性・62歳)

 −神経ブロック療法を専門としている診療科は。

 麻酔科のペインクリニックです。痛みというものは他人にはよくわかってもらえないものです。けがの治療後や手術後に残った痛みなども我慢しがちですが、それは体にも生活面にも悪い影響を与えます。体のあらゆる痛みそのものを取り除く医療を専門に行っているのが、ペインクリニックなのです。
 麻酔科であればどこでも行っているというわけではなく、痛みの治療を専門とする医師は限られ、多くはペインクリニック学会の認定を受けています。専門の病院・医院は、東北ではまだ少ないようです。

  -ペインクリニックで治療する痛みには、どのようなものがありますか。

 頭痛、腰痛、三叉(さんさ)神経痛、肩凝り、神経痛、顔面神経まひ、ひじやひざの痛み、手術後の傷の痛み、骨折後の痛み、坐骨神経痛、帯状疱疹(たいじょうほうしん)、手の痛みやしびれなどです。内科的な痛みについては専門医を紹介しますが、治療に抵抗する痛みについては原因を調べた上でそれぞれの専門医に紹介して根本的な治療を行っていただきます。

  -具体的にどんな方法で痛みをとるのですか。

 治療の中心となるのが神経ブロックです。麻酔科では手術の際、全身麻酔とともに神経ブロックを用いた麻酔が行われてきましたが、神経ブロックが痛みの治療に応用できることが分かってきたのです。
 神経や神経周囲に安全な局所麻酔薬を注射して、痛みを伝える神経をブロックします。また自律神経のうち、緊張したときに働く交感神経もブロックするので、悪化していた血液の流れが改善され、治りが早くなります。治療では神経ブロックだけでなく、症状によって薬物療法や漢方、はり治療などの東洋医学療法、心理療法も併用されます。痛みの原因が何かをよく知るため、患者さんの話を十分聞くことも大切にして治療に当たります。

  -神経ブロックの方法はたくさんあるのですか。

 五十種類ほどあります。腰や下肢の痛みには腰部硬膜外ブロック、後頭神経痛には後頭神経ブロック、四十肩や五十肩には、肩関節内に直接注射したり肩甲上神経ブロックを行います。また、慢性の頭痛や頚(けい)背部上肢痛の場合は星状神経節ブロックを用います。星状神経節は、体の胸から上を支配する交感神経の基地で、のどの辺りにあります。星状神経節ブロックは、頭痛や首、肩、腕などに起こる痛み、帯状疱疹の痛みの治療などにも用いられ、応用範囲の広い治療法です。

 -注射による治療ですから、ためらう人もいるのではないですか。

 そうですね。星状神経節ブロックのように、首に注射をするとなると、敬遠する方もいます。そういう人には東洋医学治療や薬物療法をします。漢方で劇的に治るケースもあります。
 痛みは、二週間から1ヵ月内の急性期に徹底的に治療することが重要です。六ヵ月以上痛みが続く慢性痛になると、心理的、精神的な痛みも伴うため、心理療法や精神科の治療が必要となります。不必要な痛みは我慢するものではなく、痛みを除くことが生きる質を高め、前向きな人生を送ることにつながるのです。

 担当=仙台医師会・仙台いたみのクリニック:江場克夫医師

河北新報:平成13年5月9日:朝刊:診察室(一部著者改編)